2019/01/08(火)にSansan株式会社にて行われた「SocSci Meetup ~社会科学をブートする~」に参加してきました。
DSOCとはSansan株式会社内のR&D部門で、Data Strategy & Operation Centerの略だそうです。 AIや画像解析といった先端テクノロジーから社会ネットワーク分析といった社会科学まで幅広く研究しているようです。 SocSci =「Social Science」の名の通り、今回のイベントは社会科学分野の研究成果とビジネスへの応用例を中心とした発表でした。
私も大学院の片隅で仮にも社会ネットワーク分析をかじっていた身としてこれはぜひ参加したいと思いConnpassの申し込みボタンを急いで押しました。 が、気づいたのが若干遅く補欠8番手での繰り上がり待ちでしたが、当日になってギリギリ参加枠にすべり込むことができたので意気揚々と表参道に向かいました。
以下、講演ごとのメモと拝聴時の感想ツイートです。
19:10-19:30 枯れない古典の社会学的思考 / Sansan DSOC R&D研究員 前嶋直樹 氏
一言要約:ジンメルによって人と人の繋がりが定量化され、社会関係資本の重要性が可視化された。 名刺交換というネットワークにおけるSansanでの社会ネットワーク分析の活用事例。
社会学の院生がITベンチャーの研究開発職に就くまで、そしてこれから - 社会ネットワーク研究オタクの記録 https://t.co/ywWISWKcoY
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
19:30-19:50 人脈が支える経済ネットワーク / Sansan DSOC R&D研究員 真鍋友則 氏
一言要約:肥満や喫煙といった健康習慣がネットワーク上で偏る傾向があるという研究事例の紹介
Christakisによる社会ネットワーク上の伝搬についての研究例。
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
肥満や喫煙、鬱や飲酒量といった健康上の特徴の伝搬に関して分析。 https://t.co/83DUKwUjQN
#sansan_RD_event
20:00-20:20 情報過多社会における接触情報の偏り / 東京大学大学院 臼井翔平 氏
一言要約:高度な情報化社会においては接触する情報がクラスタによってだいぶ偏りがあるという研究事例の紹介
多様性が失われていく現在...「情報の選択的接触」
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
* フィルターバブル:特定のレコメンド、キュレーションに囲まれて情報がフィルタリングされている状態
* エコーチェンバー:同じ意見をいう人しか周りにいない状態
* ミクダス仮説:相手を下に見て自分の方が正しいと思うこと
#sansan_RD_event
Tweetをリベラルとコンサバにクラスタで分けたところ、両方を閲覧しているユーザーは極端に少ないことがわかった」
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
そうだろうなと思うけど、あらためてへぇーってなった #sansan_rd_event
「多様性があった方が善、という潮流があるが多様性がない方が良い、という主張の研究はあるか」
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
ゾーニングに言及した人文系論文なら何かしらヒントになるものがありそう。
#sansan_rd_event
20:20-20:40 なぜIT企業はエスノグラファーを雇ったのか? / 東京大学大学院 杉山昂平 氏
Lucy Suchman(Xelox), danah boyd(Microsoft Research)という2名のエスノグラファーが IT企業でどのように採用され、活躍しているのかという事例紹介
Lucy Suchman(Xelox),danah boyd(Microsoft Research)、どちらもIT企業の研究所に所属しながら研究した著名なエスノグラファー。エスノグラファーがIT企業に属する意味とは→コピー機利用の参与観察→コンピュータ利用に置ける「状況性」 #sansan_rd_event
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
サッチマンの採用プロセス(Jeff Rulifson(計算機科学)さん)
— OtsukaNoboru (@mopin) 2019年1月8日
* コンサル会社による職場モデリングの仕事に幻滅
* レヴィ=ストロースの著作を読み人類学に興味
* サンフランシスコベイエリアで人類学者を探しUC Barkeleyを尋ねる #sansan_rd_event
感想
その後懇親会にも参加し、講演者の方達とも話す機会がありました。 最新の社会ネットワーク分析や計算社会学のキャッチアップをするにはどの研究者を押さえておくべきか、 どういったところから最新の論文を拾ってくるのかといったことを教えていただきました。 自分の中でも社会科学を学び直したい熱が再燃しているので、読んだ論文の感想などをこちらで書いていきたいと思いました。